* *

なっちゃんはどこにいるのだろう。



多分、あたし達のクラスの真下にいたはずだから、校庭にいるのは間違いない。


「ええ…っ、いないよ…」


息をきらし、肩で一生懸命呼吸をする。


……んん?


あたしは目を細め、ある一点に焦点を合わせた。


「……なっちゃん!?」


丁度日陰のところで、腰をおろしているなっちゃん。


……と、健?


…あたしの胸の鼓動が高鳴った瞬間だった。


やっと…。


やっと見つけた。


「………げ」


一方のなっちゃんは、バツの悪そうな顔を浮かべ、舌打ちをする。


彼の今の行動であたしは直感した。


彼は間違いなくあたしを避けていたのだ。


だから、この数週間連絡もなく、会うこともなかったのだ。


…だから。

今、久々にあったあたしに舌打ちをするのだ…。



あたしの心に曇りがかかる。



「…なっちゃん?どうしてあたしに連絡しないの?」


「はぁ?いや…俺等そんな関係じゃなくね?」


それは、そうだけどさぁ…。