まったく。健吾が受験勉強を始めてからというもの、俺の肩身がせまくて仕方ない。
そりゃあ、確かに俺から見てもあいつは頑張ってるし、すごいとは思うけれど。
……でも健吾が頑張れるのは、莉子ちゃんがいるからじゃん。
そんな反発を、子供じみているとは思いながらも、内心抱かずにはいられない。
大切な人との未来のためになら、そりゃあ努力できるだろう。
夢も見れるだろう。
でも
でも、俺にはもう――
「シン?」
名前を呼ばれ、俺は我に返った。
「あぁ、ごめん」
「なんか最近のシン、ちょっと変だよ。すぐにボーッとしちゃってさ」
「そんなことないし」
「あるし」
「ははっ」



