SIN (LOVE and DAYS・番外編②)



植田さんと知り合ったのは、私があのお店で働きだしてからでした。


なかなか水商売になじめない私を、マネージャーである植田さんが励ましてくれて。

相談とか乗ってもらっているうちに、どんどん好きになっていったの。



それにむこうも、私のことを「キャストとしてじゃなく、特別な目で見てる」って言ってくれたんです。



すごく嬉しかった。


店内恋愛は禁止だから、みんなには秘密にしなきゃいけなかったけど、それでも私は幸せだった。


植田さんに褒めてもらいたくて、仕事をがんばって……。


いつのまにか私は、「植田さんのそばにいたいから」という理由で働くようになっていたんだ。




……勘の鋭いシン君なら、もうわかってるよね。


そう、彼は私のことなんか、本当は愛してくれていなかった。


甘い言葉も、優しさも、すべては「お店から離れられなくするため」のもの。

男性スタッフの常套手段。


だから彼は私だけじゃなく、他の女の子たちにも同じようなことをしていたんです。