SIN (LOVE and DAYS・番外編②)


「千夜子さん……?」


「………」


「なんで泣くの?」



返事はない。


両手で顔を覆い、しゃくりあげるだけ。



「なぁ、そんなに辛いなら仕事やめればいいじゃん。
千夜子さんにはきっと他の仕事の方が向いてるよ」



痺れを切らしたように俺は言った。


話の流れで言ったように見せかけて、本当はずっと前から思っていたことだった。



以前、どうして夜の仕事をしているのか、千夜子さんにたずねたことがある。


そのときの彼女の答えはこうだった。



「最初は友達に誘われて、なんとなくだったの」



“なんとなく”



だったら、無理してまで続ける必要はないと思う。

千夜子さんに夜の世界は向いていないと思う。


いや、それ以上に


それ以上に……



俺が嫌だから、やめてほしいんだ。