SIN (LOVE and DAYS・番外編②)



マンションの下に到着し3階を見上げると、カーテンを引いた窓からは一筋の明かりすらもれていなかった。


俺は躊躇し、考える。


部屋が暗いということは、たぶん千夜子さんは仕事に行っていて留守なんだろう。


こういう場合は、普段ならあきらめて帰ることにしている。


でも今日はなぜか、胸にひっかかるものが無視できなかったんだ。



俺はマンションの階段を上り、物音ひとつしない千夜子さんの部屋のインターホンを押した。


ピンポーンという高い音が、ドアの向こうからかすかに聞こえる。

無意識に耳をそばだたせる俺。



「千夜子さーん、いないの?」


ノックしながら尋ねた。


静まり返った廊下で名前を呼び続ける俺は、我ながら滑稽だ。



「千夜子さん。俺だよ、シン」



そのとき、内側から鍵の開く音が響いた。