「ごめんね、莉子ちゃん。アキに送ってもらってね」
「あ……はい」
莉子ちゃんは素直にうなずくと、ペコリと俺に頭を下げて、先を歩くアキの方に小走りで寄って行った。
街灯の下をならんで歩く、アキと莉子ちゃんのうしろ姿は、何も知らなければ恋人同士のように見える。
それを見てちょっと複雑な想いになる俺は、おせっかい野郎なのかな。
「――さて、と」
俺は携帯を閉じて、ポケットにしまった。
電話はつながらないし
なんだか胸騒ぎがするし
だったら行ってみるしかないよな。
それこそ、おせっかいかもしれないけどさ。
俺はゆるんだ靴ひもを結び直し、千夜子さんのマンションへと向かった。



