SIN (LOVE and DAYS・番外編②)



「……マジかよ」


千夜子さんの部屋に戻った俺は、間の抜けた声を出す。


「この状況で寝るか、普通?」



たぶん俺が部屋を出て、ほんの5分ほどしか経っていないはずなのに。

戻ってきたら、千夜子さんはすっかり夢の中だったんだ。


知らず知らずのうちに寝てしまったらしく、テーブルに顔をのせて寝息をたてている彼女。


たしかに俺は「何もしないから安心して」って言ったけど、こんなに無防備なのも、いかがなものか。


うぶなくせに大胆で、よくわかんねぇ女……。



「千夜子さ――」


起こしかけて、俺はとっさにやめた。


よく考えたら仕事の後なんだから、疲れていて当然だよな。

ムリに起こすのはかわいそうだ。


「………」


でも、ベッドで寝なきゃ風邪ひくし。



「……言っとくけど、スケベ心で触るわけじゃねぇからな」



誰に対してかわからない言い訳をして、千夜子さんの体を持ち上げた。


脱力しきった体は、俺の腕の中でぐにゃりと曲がる。