俺は駅までの近道のため、ラブホ街を通ることにした。
あやしいネオンが灯るこの界隈を、学ランで歩いているのなんか俺くらいだ。
まわりはみんな、肩を寄せ合うカップルたち。
さっき女の子とヤリそこねた俺には、当然、目の毒でしかなくて。
……あ~あ。やっぱりヤっとけば良かったかな。
なんてさっそく軽く後悔し始める俺。
でもあの状態でエッチしたら、あの子、即恋愛モードに切り替わりそうだったしなぁ。
やっぱりヤラなくて正解か。
あ、そうだ。
次からはもっと年上の、オトナの女を狙えばいいんじゃね?
割り切った付き合いが、できそうじゃん?
「好き」とか「彼女にして」とか、言わなさそうじゃん?
うん。それがいい。
次は年上にしよう。
クールで、
おしとやかで、
「いぃやあぁぁぁぁ!!!!」
そう、こんな下品な叫び声なんか上げなくて
「ぎゃあぁぁぁぁ!!!!」
自立したお姉さまタイプで
「やめてぇぇぇぇ!!!!」
……って。
何だよ、この声!?!?