「え……? きゃあっ!!!」
千夜子さんが叫んだのも無理はない。
俺がここにいることを知らなかったんだし
しかも(俺自身すっかり忘れていたけれど)
このときは着替えの途中で、下半身はボクサーパンツという、恥ずかしい姿だったんだし。
「えっ、えっ、なんでここに!? ていうか、なんでパンツ!?」
ドアを開けっぱなしの状態で、あわあわと焦る千夜子さん。
周りの通行人が「何事だ」とこちらを見てくる。
「ちょっ…千夜子さん。とりあえず乗って、ドア閉めて」
さすがの俺も焦って、千夜子さんの腕をつかみ車内に引き込んだ。
バタン!とドアを閉め、
ふぅーっ、とため息をつく。
一部始終を見ていたハルキさんは、愉快そうに肩を震わせて笑っていた。



