「じゃ、またね~」
そう言って彼女の家を出ると、辺りはすでに薄暗かった。
ピュウっと細い音をたてる風が冷たくて、つい、さっきまでの温かいベッドが恋しくなる。
だけどあれ以上は、彼女の部屋にいることはできなかったんだ。
だってさ。せっかくいいムードだったのに
――『シン。好きだよ』
あんな白けること言うんだもん。
「恋」と「セックス」の間に、「イコール」はなくてもいいのにって思う。
むしろ邪魔だと思う。
……って言うと冷たく聞こえるかもしれないけど、そうじゃなくて。
俺は女の子が大好きだから
女の子を傷つけたくないから
厄介事は、最初から避けて通りたいんだ。
だってほら、
恋って、しんどいじゃん。