「あれ~? お前ら、知り合い?」


向かいのソファから、ハルキさんが尋ねてきた。



「昨日会ったばかりですけどね」


俺と千夜子さんがぴったり同時に答えると、ハルキさんの隣の女の子が「運命ですね~」と甲高く言った。



運命か。


陳腐な言葉だけど、偶然よりは運命の方が、響きがいい。




「で、もうヤったのか?」



突拍子もないハルキさんの質問に、激しくむせ込んだのは千夜子さんだった。



「なっ……何言ってるんですかっ」


とあわてる彼女の横で、俺は飄々と頭をかく。



「いや~。それが実は、まだなんですよ」


「“まだ”って何よ、“まだ”って!」



真っ赤な顔で俺をにらむ千夜子さん。



あぁ、やっぱり千夜子さんは、こうでなくちゃ。


俺は昨日出会ったばかりのくせに、そんなことを思い、嬉しくなった。