「え、どうしたの? あたし、何か気に障るようなこと……」



急にベッドから降りた俺に、彼女が言った。

不安そうな、女のプライドが傷ついたような顔で。



そんな彼女に、いつも通りのヘラヘラ笑顔で答える俺。



「ごめんごめん。ちょっと用事思い出してさ」


「用事?」


「うん、健吾たちと待ち合わせしてたんだよね。
また時間のあるときに遊びに来るから、今日は許して?」



何か言いたげな彼女に、チュッとキスをする。


拗ねた女の子の顔は、可愛いから嫌いじゃない。



何度かキスをくり返していると、彼女は降参したようにうなずいて、媚びるような瞳で見上げてきた。



「ホントにまた来てくれる?」


「もちろん」


まあ、可能性は50%くらいだろうけど。



「絶対だよ? 待ってるからね。あたし、シンのこと大好きだから」


……やっぱり20%かな。