SIN (LOVE and DAYS・番外編②)


「すみませんっ、“ちぃ”ですけど。植田マネージャーお願いできますか?」



しばしの沈黙のあと、携帯からかすかに「もしもし」と男の声が漏れてきた。



「すみません、足をケガしてしまったので、今日は休ませてもらいたいんです……はい……ごめんなさい」



彼女の表情は、たちまちションボリしていった。


ここまで萎縮するなんて、よっぽど厳しい店なんだろうか。




「休ませてくれるって?」



電話を切った彼女にたずねた。



「うん」



落ち込んだ顔でうなずく彼女に、俺はヘラッと笑う。



「なんかさぁ、君が夜の仕事してるなんて、想像できねぇな~」


「……どういう意味?」


「だって店に来る男なんて、下心のあるヤツがほとんどじゃん?
君みたいな頼りないタイプ、一番狙われやすいし。

今日みたいにホテル連れ込まれそうになったのも、初めてじゃないだろ?」