SIN (LOVE and DAYS・番外編②)


「安心してよ。俺、今んとこ“オトナの女性”にしか興味ないからさ」



俺の嫌味を聞いた彼女は、唇を突き出すように尖らせる。


ほら、その反応が子どもなんだっつーの。

マジでおもしろいな、この子。



俺は冷凍庫からもらった氷をビニール袋とタオルに包み、フローリングの冷たい床に、腰をおろした。


ベッドに座っている彼女の右足を取り、氷で冷やしてあげる。



「……ありがとう」



さっき勘違いで暴れたことを恥じているのか、しおらしくお礼をつぶやく彼女。


俺は彼女の足首に氷をあてたまま尋ねた。



「君ってさ~、夜働いてんでしょ?」



少し間をおいて、彼女が「うん」と答えた。



「じゃあ店に電話入れといた方がよくね? 無断欠勤はまずいでしょ」


「あっ!」



どうやらすっかり忘れていたらしい彼女は、あわててバッグから携帯を取り出して、電話をかけ始める。