SIN (LOVE and DAYS・番外編②)


「部屋、何階?」


「さっ、三階っ。ていうか、なんで抱っこ!?」


「階段上るときは、おんぶよりこの方が安全じゃん」



うっ…と言葉をのむ彼女。

俺は余裕の口笛を吹きながら、マンションの階段を上る。


そして彼女が住む303号室の前まで来ると、


「鍵」


と当たり前のように言って、彼女から鍵を受け取った。



「お邪魔しまーす」


「はっ!?」



なんで貴方まで入るのよ!という声を無視して、図々しく部屋にあがりこむ俺。


ワンルームのすみの小さなベッドに、彼女の体を落とした。



「ちょっ、やっ、待って!!」


俺を見上げるその表情は、警戒心モロ出し。


が、俺はお構いなしに、彼女の方に手を伸ばす。



「やっ! それはダメっ!!

やめてぇぇっ!!」




「何が?」




「…………へ?」



涙をためた彼女の瞳が、パチクリと瞬いた。