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「こら。外の景色なんか見てないで、人が話してる時はちゃんと聞きなさい」



いいかげん聞きなれた担任のセリフが、進路指導室に響く。



「はーい。すんません」



俺は担任の方に視線を戻して、首で会釈した。




あれから一ヵ月が過ぎて、3学期になった。


その間にも俺のまわりでは、いろんな出来事が起こっていた。



健吾の受験はいよいよ大詰め。

あさってには一校目の試験が迫っている。


莉子ちゃんは健吾の家に通って家事を手伝ったり、かげでサポートしているらしい。


そして、アキは……



「そういえばお前の友達の橘アキ。停学があけたのに、まだ学校来てないんだって?」


担任がふと思い出したように言った。



そう、アキは冬休みに入る少し前、健吾の身代わりで停学処分を受けた。

それ以来、連絡がとれなくなっている。