「千夜子さんは何も気にしなくていい。
これは俺の片想いなんだから。
片想いなら、俺があきらめない限り、終わりもないじゃん？」
「………」
泣きながらもけっして目をそらそうとしない、千夜子さんのまっすぐさ。
不器用なくらい純粋な
俺の大好きな人。
生まれて初めて、こんなにも好きになった人。
「……俺ね、自分はもっと大人だと思ってた。
けど今回のことでわかったんだよね。
ホントはすげぇガキだったんだって。
悔しいけど今の俺じゃ、自信持って千夜子さんにオススメできねぇもん」
だからさ、と言って、俺は唇の端を上げた。
「もっともっと経験つんで、心を鍛えて。
胸はっていい男だって言えるときが来たら、そんときは……」
……全力で、千夜子さんをもらいに行く。
俺の言葉に、千夜子さんは小さく、だけどハッキリとうなずいた。
