SIN (LOVE and DAYS・番外編②)


やれやれと俺は肩をすくめて、きびすを返す。


なんだ、あいつ。
変な女だなぁ。

俺が理想とするオトナの女性とは、大違い――




「ぎゃあっ!!!!」




今度は何だよ、オイっ!?


あわててふり返ると、5メートルほど先のところで、彼女が思いっきり転んでいた。



「い…痛ぁい~っ!」



泣くのかっ? 
また泣くのかっ!?


なぜかオロオロする俺と

尻もちをついたまま、足首をさする彼女。


彼女の履いているヒールが折れたらしく、靴底がぱっくりと口を開けている。



あの様子じゃ、とてもじゃないけど歩けないだろう。



「………」



見て見ぬふり……は、さすがにできない。


まあ、これは

緊急事態ってやつですか。




「……ほら」


「え?」


「おぶってくから、乗って」



俺は痛がる彼女のそばに行き、背中を向けてしゃがんだ。