「しかし悪戯だとしても……放っておくわけにもいかないな」
大貴はカップをまた手に持つと、物憂げに呟いた。
「うん。だからパパに頼んでおいたよ」
「何を?」
「この辺りのパトロール。大貴だって大学あるしさ。あたしも学校あるし、まだ勘戻ってないし……」
あたしは大貴の横に腰かけた。
大貴はあたしをまじまじと見て、不思議そうな顔をした。
「わざわざ井乃月を使うのか?大学って、俺ほとんど行ってないだろ」
「それはそうなんだけど……あ、あとね、パパが次の仕事まで実家で訓練しろって」
「は?」
大貴は少し顔付きを険しくさせた。
少し緊張しながら、平気なふりをしてあたしは続けた。
「こんなに長い間動かなかったのって初めてでしょ。だからちゃんとした訓練受けなさいって……実家なら何でも揃ってるじゃない?」



