「待ってよ!!何なの一体!?」
二人が何を話してるのかさっぱりわからない。
それに、この先生何なの?
高瀬君はあたしの言葉を無視してその顔を剥ぎ取ると、ジャージを脱ぎ、先生のロッカーから取り出した服に着替えた。
部室でのようにそれを止める隙もなかった。
素顔になり、着替え終えた十星はいつもより大人びて見える。
大貴と同じか、ちょっと上くらい。
「教えてあげるよ。ホントウのことを」
椅子に座る先生の後ろ姿を背に、十星は真剣な目で言った。
先生はもう自分は関係ないみたいに仕事をしている。
何だか変な光景だ。
まるで全く別の、パラレルワールドが重なってしまったみたい。
「……今から?」
あたしは二つの世界に足を突っ込んでいるような、やけに中途半端な気分で訊き返す。
だってあまりにも唐突じゃない。
「今度はね、千夏が知りたくないって言っても、無理やりにでも教えるよ」
イエスかノーか。
そんなことよりも、どうやらあたしはこっち側らしいと判断して、体が勝手に頷いた。



