大貴は落ち込むあたしの手を引いて居間へと歩き出した。
「飯食ったら帰るぞ」
「うん……」
居間には二人分の食事が用意されていた。
「カレー……」
それはレトルトとおぼしきカレーライスだった。
「もう昼過ぎだしな。母さんがキレてこれを用意したんだろうな」
……それはつまり。
「朝飯も昼飯も四人分母さん一人で食べたらしい」
当然四人にはあたしが含まれるんですよね……
あたし、初対面で印象悪すぎ……!
……あれ、四人?
「四人って、あと一人は」
「親父。まだ寝てる」
なるほど。
それにしても……
「大貴のお母さんって、すごい量食べられるんだね……」
あたしたちは座って用意されたカレーライスを食べ始めた。
「いや、朝も昼も後できつくて吐いたって言ってた」
「……」
どうやら、ただの淑やかな女性ではなさそうです。



