「なにしてんだ?」
桶に足を入れて洗っていると、後ろで大貴の声がした。
「おはよー」
挨拶をしながら振り向くと、湯上がりの大貴が立っていた。
「おはよ」
「迷いたくなくて。屋根に上がって玄関から入ろうかと……で、実行しました」
足をお湯から出してタオルで拭くと立ち上がった。
「ありがとうございました。あたし片付けます」
「いえ、私が」
持ってきてくれた女性が笑って桶を持ち上げた。
「……」
「あれ?もしかして呆れてる??」
無言の大貴に気付いて聞いてみた。
「まだ完治してないんだから、そういうことするなよ……」
大貴は溜め息をついた。
「あ、ご、ごめん……」
そう言えばそうだった。
大貴が少し怒っているようで、思わず俯く。
しかし、大貴の次の一言ですぐに顔を上げた。
「じゃあ母さん、悪いけどそれ頼む」
「はいはい」
……え。
えぇ!?
「大貴のお母さん!?」



