「そのうちわかるよ」
そう言うとスッと立ち上がった。
「そろそろ行くね」
にっこり笑ってあたしを見下ろす。
「ま、待ってよ」
あたしも急いで立ち上がる。
まだまだ聞かなければならないことは沢山あるんだから。
「あれ、名残惜しい?」
十星は目を細めるとあたしに近寄ってきた。
「ちが、違う……って!」
寄ってくる顔を左手で押し返そうとするが、ジリジリと迫ってくる。
「教えてくれるんでしょ!あたしが知りたいこと全部!」
あたしの左手にかかる力が抜けると、十星は背筋を伸ばして言った。
「やっぱり、まだダメ」
「はっ!?」
「何事も予定通りには進んでくれないもんだよね」
残念そうにわざとらしく俯くと、背を向けて窓に向かって歩き出した。



