徐々に日が暮れ、夜が近付く。 十星が予告した夜だ。 井乃月も少しずつ警戒を強めた。 狙われている掛け軸は、普段と同じ場所に掛けられている。 井乃月の余裕の表れらしい。 "盗れるもんなら盗ってみろ" ということだ。 一方、会沢藤五郎的には "お好きなように" という意図らしい。 会沢家にとっては盗られたところで大した痛手にはならないのだ。