十星があたしの手にあるティアラを覗き込む。
「そんなとこにあったのかー」
そう言うとさっとあたしの手から取った。
「あ……」
「あげないよ」
にっこり。
「別にいらないし」
いつか自力で盗み返してやる。
そう心の中で呟いて、あたしは片付けを再開した。
「ていうか、それちゃんと保管しなさいよね。高価なんだから」
「はいはい」
十星はティアラを持って奥の部屋に入って行った。
どういう神経してるのか、さっぱりわからない。
美術館に展示されるような代物を、服やゴミと一緒に放り投げておくなんて信じられない。
先人の残した宝をこんな風に扱う奴に負けたなんて。
情けなくて、大きな溜息が出た。



