後方に十星の気配を感じる。
戻ってきたみたいだけど、あたしは振り向かず手を休めない。
そのまましばらく黙っていた十星が発した。
「……千夏さん」
「ちゃんと掛けたんでしょうね」
「うん……あのさ、ゴミとそうでないものの区別つくの?」
「勘」
即答した。
「……」
「大事なもの捨てられたくなかったら手伝って」
十星はソファの上にあるものを無理やりどけて言った。
「2人座るスペースだけ作ればよくない?」
「何だったら1人分でもいいけど。抱っこするから」
「……」
「……」
「……あれ、無視?」
十星は諦めたのか片付け始めた。
2人で片づけ、やっと床が姿を現してくる。
そこであるものがあたしの目に映った。
「あ」
これは……
床に散乱していた服の下から姿を現したのは
「ティアラ」
十星が盗んだチェリーブロッサムティアラだった。



