「何って?」
あたしは立ち上がって言った。
「さっきあたしを寮まで送ったの、あんたでしょ」
違和感の正体。
くしゃみをするときの声が、副部長のものではなかったのだ。
それは十星のものだった。
「そのことか」
十星も立ち上がった。
「くしゃみだけで気付いてくれるなんて、嬉しいなぁ」
「おかしいと思った。堅物の副部長があんな話するなんて!」
それも、この脳内ピンク一色のこいつなら納得がいく。
「まぁそんな怖い顔しないでさ。座りなよ」
そう言ってリビングにあるソファを指差した。
「座るスペースがありません」
ソファの上は制服やら何やらが沢山散らかっていて、とても座れる状態ではなかった。
既にあれはソファじゃない、と言っても過言ではない。



