怪盗ブログ

しかし何処にあるのか見当もつかない。

あたしは何だかよくわからないものを踏みつけながら、あちこち見回した。

汚いのは汚いし、何かを踏まなければ歩けないくらいだけど、構造自体はあたし達の部屋と変わりない。


そのうちに、キッチンで備え付けの上棚からはみ出すそれを発見した。


キッチンはリビングとは打って変わって普通だった。

普通、というよりは几帳面なくらい片付けられていて、ぴかぴか。

上棚からごみ袋がはみ出しているのが異様に映るくらい、本当にきれいだった。


……一体どういう生活をしてるのか。


あたしはキッチンにあった椅子に上がり、棚からごみ袋を取り出そうとした。


その時。


「はっくしゅっ」


丁度リビングに戻ってきた十星が、くしゃみをした。


「あっ」


あたしは驚いて足を滑らせた。

咄嗟に右手を庇ったものの、上手く落ちることが出来ずに変な態勢で着地した。


「いった……」


十星は駆け寄ってきてあたしを起こす。


「……何してんの」


「ゴミ袋探してて……」


「大丈夫?手は何ともない?」


「うん」


自分で折ったくせに、心配するなんて変な奴。


「ていうか」

気付いた。
さっき感じた違和感の正体。

あたしは十星を軽く睨む。


「あんたこそ何してるの」