―――昼休み
「なんか、今日瞼腫れぼったいね?」
優菜が言った。
「やっぱりわかる……?」
「少しね」
「朝はもっとひどかったよ」
溜息をつく。
「大貴さんとケンカでもしたの?」
「んーん」
首を振って続けた。
「よくわかんないけど、泣けた」
「センチメンタルだねぇ」
「でも、怪我してるときってそんなもんかも」
そう優菜は付け足した。
「そうなの?」
「治るまで長くかかるとね、途中で嫌になっちゃって小さいことでも泣けたりする」
「ふーん」
なら怪我が治ったらこんなにいちいち不安になったりしないのかな。
あいつが煽ってるってのもあるんだけどさ。
……どっちにしても、十星のせいじゃん。



