大貴は熱々のタオルと冷やしたタオルを持ってきた。
「交互に目の上に載せると早く腫れがひくらしい」
初耳だった。
大貴はあたしをベッドに寝かせると、まず熱いタオルを載せた。
「ほんとに早くひくの?」
「知らん」
「……」
どこから持ってきた情報ですか。
少しして、冷たいタオルと取り替えた。
「何でそこまで泣き腫らしたんだ」
そりゃ聞きますよね。
「……内緒」
何かいい嘘はないだろうかと考えてみたけれど、見つからなかった。
本当のことを言ったら、あたしをもっと女として見てくれるだろうか。
「言いたくないならいいけど」



