「あたしには、大貴っていう彼氏がいるわけ」 うずくまる十星を見下ろして言う。 「だから、いくらあんたが海外育ちだろうと、そう易々とキスされちゃ困るんです。わかるよねー」 十星はむくっと上体を起こした。 「俺、真剣なのに……」 心なしか、股間を手でガードしているように見える。 よほど効いたらしい。 「どこが」 「まだ我慢して舌だって入れてないのに……」 「なっ」 何言ってんのこいつ! 不覚にも顔が熱くなるのを感じて、月明かりから逃れるように後ずさった。 「あれ」