「そんな乱暴じゃ王子様から嫌われちゃうよ」
「余計なお世話」
あたしはパジャマの上に上着を羽織った。
「今日はわざわざ部屋まで何の用かしら」
十星は入ってきた時に開けた窓を閉めるとベッドに座る。
「今日はわざわざデートのお誘いです」
にっこり。
「嫌」
「うわー即答」
十星のへらへら顔を睨む。
「当たり前」
そう言うと、いつものように顔を近付けてくる。
「せめて、デートプランを聞いてから断ろうよ」
月明かりに照らされたきれいな笑顔が間近にあった。
「必要以上に!近付かないでっていつも言ってるでしょ!!」
左腕で十星を押し返そうとする。
いつものことだけれど、無駄な努力。
この男そんなに筋肉があるようには見えないのに、本当に力が強い。
「俺の盗みについて来ないかなって思ってね」
「……は?」
「Aランクの仕事振り、見てみたいんじゃないかなーと思ったの」
にっこり顔が近い。
けれどそれが一瞬気にならなくなるくらい、その提案に興味を持った。
思わず、
「見たい」
そう答えてしまった。



