噂をすれば。 この日の夜は十星が部屋にやってきた。 寝ているあたしに覆いかぶさってきたのだ。 何するつもりだこのエロ男。 あたしは足で布団ごと蹴り飛ばしてやった。 使えるのが左腕だけだと思うなよ。 「痛い……」 音もなく着地した十星は下腹部を押さえている。 どうやら少し狙いを外したようだ。 「どこ蹴ろうとしてるの……」 痛みで歪んだ笑顔。 「股間」 「……」 十星の顔から珍しく笑みが消える。