私は大丈夫…


彼女をいる人なんて好きになったりしないから


そう言い聞かせ、自分
の気持ちにフタをした


好きなのに自分の
気持ちを押し殺すのは
しんどいってわかってる


我慢する恋愛はあの時
で、もう懲りたから…


ふと、中2の時に付
き合ってた酒井くん
の顔が頭に浮かぶ


今何やってるんだろ
どこの学校に行った
のかも知らない


中3で違うクラスにな
り、すれ違いが続いた
夏休みを機に、気がつ
くと私たちは全く話さ
なくなっていた


…あれは酒井くん
が悪いよね?


ポカッ!


痛っ!


そう声にする前に、
突然私の頭を叩いて
きた本人を見上げて睨む


普通、グーでやる??


私の横で愛斗くん、
意味ありげに笑いな
がら拳を振り回す


「ちょっとぉ、マジ
で痛いんですけどっ!
手加減してくれる?」