「うっ」


鋭い矛先が背中に
何度も痛みを走らせる


「みう、退きなっ!」


背中越しにカナちゃん
の声が聞こえる


その声はだんだん遠く
なっていって…そのまま私の意識は途絶えた





記憶にあるのは、優羽吾くんの手が…握ってても何の反応もなかったこと


丸くて温かくて、柔らかかったあの手が…
冷たくて堅かったこと



情けないほど、それしか思い出せなかった


私は優羽吾くんを
護れたのかな


薄れつつある意識の中で…ぼんやりと考えていた