「いえ、こちらこそ…というか、優羽吾くんにはいつも色々助けてもらってるんで私の方がお礼
言いたい位です」


ペコッと頭を下げる


運転する姿を助手席から眺める…横顔もキレイな人、優羽吾くんみたいに優しい目をしてる


「そう…でも優羽吾
高校入ってまた少し
変わったのよ」


「変わった?」


チラッと私を見ると
にっこり微笑む


「前まであんなに嫌がってたコンテストに出る気になった…ほら来月の」


嫌がってた?…そう
なんだ、知らなかった


てっきり優羽吾くん
そういうの当たり前に
出場してるもんだと…


目を丸くしてた私を見てお母さんがクスッと笑う


「昔は結構出てたのよ、小学生の部やテレビ局主催の素人コンテストでいつも優勝してたの…でもいつからか、出なく
なっちゃって…」


優勝してたんだ…なのに突然挫折したの?夢を…見れなくなるほどに