「カナちゃん!」


優羽吾くんの家を出て、この間帰った道を走っていくと、トボトボ歩く
カナちゃんの後ろ姿を
見つけた


「…一緒に帰ろ?」


カナちゃんの前にまわったけど、俯いたままで
顔を上げてくれない


泣きはらした目が
痛々しい


「カナちゃん、どっか
お店入ろ?話聞くよ!」


「いーからほっといて」


パシッと手を
振り払われる


「似合ってるのに…私はそーいうカナちゃんの
方が好きだなぁ」


「…」


「大分前の話だけどね、リュウさんとちょっと話す機会があったの…


話聞いてて、カナちゃんのことすごく大切にしてるんだって思ったよ」


「…」