噂には聞いていたけど、初めて愛斗くんのこういう光景を見てしまった


何あれ…
誰に対してもそうなんだ


がっかりというか…
何だかちょっと胸が
ズキッと痛んだ


「こんにちはー」


咲妃さんはそんな二人を気にすることもなくさらりと挨拶すると、普通に病室に入って行く


愛斗くんも私たちを見て驚きもせず、ベッドに
腰掛けたまま


シャクシャクと音をたておいしそうにリンゴを
食べていた


「あれ、お前ら
ガッコーは?」


「うち今日午前中までだったから、はいお花」


咲妃さんは愛斗くんに近寄ると、なぜか愛斗くんじゃなく隣の女の人に
ひまわりを差し出した


背を向けた人が咲妃さんの方を振り返る


あ…