私を通り過ぎエレベーターを出る咲妃さんの
足元が見える


私たち二人がフロアに降り立った時ピタリと咲妃さんの足が止まった


「そう…じゃあ
あなたの安全は
保障できないから…」


思わず顔を上げ
咲妃さんの顔を見た


咲妃さんの透き通るような頬に前髪がはらりと落ちてきて、彼女は何もなかったようにそれを
耳にかける


伏し目がちにするとまた何もなかったように
笑顔になった…


今何かとんでもないことを言われたのに、その言葉を忘れてしまうかの
ようなその笑顔は…


本当に綺麗で…


私は頭の中が真っ白に
なってしまった