「最近優羽吾の様子が変なんだよね、みうちゃん何でか知らない?」


見透かされてる気がする


咲妃さんは含み笑顔で
視線を私から外さない


怖い…


「もう一回だけ言うね
優羽吾に近づかないで」


咲妃さんには悪いと思うけど…好きになるのに
順番なんてないと思う


そりゃ彼女がいるのに好きになった私も悪いけど


最終的に決めるのは私
たちじゃなくて優羽吾
くんなんだから…


「私…それはできない」


思い切って
言ってしまった


手が…震える


咲妃さんの顔が見れず
私はうつむいてしまう


チン、という音がしてエレベーターの扉が開いた