目を見開いて見上げた
ものの、彼の顔は穏やか


「私、生け贄とか
言われたんだよ?」


「えっマジ?ははっ、それひでー言い方だなぁー

…でも咲妃の時は愛斗にちょっかいかけてるよーに見えたからやられたわけで…今回みたく堂々としてれば下手に手出せ
ないわけじゃん?」


「ん…そうなのかな」


何かちょっと違うような


「こないだクラスの奴が言ってたんだけどさ、そいつ3年の姉ちゃんから

桜谷みうってどんな子?って聞かれたらしーわ…その話愛斗にしたから焦ったのかもなぁ…」


さっ3年の間で私が
話題になってる?
それってヤバくない…?


汗が冷えて私の手が急に冷たくなったのが分かったかのように、彼は更にぎゅうっと力こめて
握り直すと