夏とはいえ、さすがに暗くなってきた。



「智。暗くなってきたから帰んない?」

「やだ。」



拒否んのはやっ!!



「どーせ家帰っても、食うもんねぇだろ?」



うっ…
図星ですよ…



「だから、どっかで食ってこーぜ。俺、おごるし」

「まじでっ!?!?」

「切り替えはやっ。」



だっておごりでしょ?
ちょーラッキーじゃん。



「っし、行くぞ!!」

「うん!!」



不意をつかれ、智はまた私の手を握った。



手………
握ってる……


そう考えたけど、不思議と抵抗する気になることはなかった。