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精神的にやたらとハードだった週末を終え、憂鬱な月曜の朝。

雲一つない空の下。
同じ高校の奴らが多数溢れる道を、タラタラと歩いてたら


「おっはよ!」


って言葉と共に身体に激突してきた肩。


「痛……ってあぁ、柳田。
何や、お前か」

「“何や”って悪かったね私で。
それにしても昨日は平気だった?
バイトとバンド練習。
ちゃんと最後までもった?」


テンション低い俺とは真逆。
朝っぱらから元気すぎ。
ちなみにノーメイクバージョン。


「あぁ、気合いでなんとか。
ってもさすがに何回か、気絶しそうになったけど」

「あはは、だから言ったじゃん?
そんなに飲むなって」

「勧めたのお前らやろ。
ほんまありえへんで、お前の家族」


思い出しながら顔をしかめる。

実はあの後、
「やっぱり飲まなきゃやってらんない!」
って無理矢理連れ込まれた柳田家。

そこで成り行きのまま紹介されたこの女の両親と、何故か揃って朝まで飲むはめになってもうて。


柳田のキャラを三倍強めたような母親と
のほほんキャラの父親。
それにこいつ。

そんなありえん状況に流石の俺も疲労困憊。

何度も席を立ち上がりかけたのに、三人に揃って引き止められ、酒を注がれ、ほぼ拉致監禁状態で。

柳田以上にキャラの濃い両親の姿に、コイツのルーツを知った気がした。