どれくらい、歩いただろう?

気がつけば、僕は、月の砂漠を歩いていた。



砂に沈むかと、少し心配だったが、僕の足は砂漠に足跡をつけて、進んでいくだけ。


その足跡も、やがて風によって消されていった。


さそりが何匹か蠢いていたけど、僕のことは意に介していないようだった。




ただ、赤い月だけが、僕を見下ろして、いた。