この書き置きを見て、僕はひどく狼狽した。


世界の果て?


本当に、そんなものあるんだろうか?


彼女に話したおとぎ話の通り?


月の砂漠は、確かに実在した。

綺麗な名前とはうらはらに、誰も近寄らない死の砂漠として。



どちらにしても、行かねばならない。

僕は彼女をつかまえるべく、急いで西へと、向かった。