・・・は? 「え、今なんて」 「? だから、一緒に帰ろうって言ったけど」 私は眉間にしわを寄せた。 「…なんで?」 そう言ってから少し後悔した。 (・・・黙って一緒にかえっときゃよかったかも。) 私のあからさまな態度に、広瀬貴久は歯切れ悪く言った。 「・・・なんでって、 吉野のこと好きだからだけど」 そう言った広瀬貴久の顔は、夕暮れのせいか、少し赤く染まって見えた。