「 徹ってさ〜、
そんな見た目なのに、女っ気が全く無いからつまんないんだよね〜、
好きな子とかいないわけ?」
彼女のその言葉に、
僕は思わず お隣の森永さんを思い浮かべてしまった…
それが顔に出てしまったのか、ナナは楽しそうに僕を見つめた…
「 へ〜え、好きな子いるんだぁ〜、」
「 ………。」
僕は覗き込んでくる彼女から逃げるように、そっぽを向いた…
「 誰?この学校の子?」
「 ………。」
ナナは構わず話しかけてくる…
「 可愛い系?美人系?」
「 ………。」
「 もぅっ、なんとか言いなさいよ〜!」
なにも言わない僕に対し、ナナはしつこく絡んでくる…
授業を終えた放課後も、ずっと彼女の質問攻めにあってしまった。
「 これからバイトだから…、」
そう言って逃げようとしたが…、
「 そーちゃんに電話したら、しばらく店には顔出すな だって〜。」
"そーちゃん"とは、
僕のバイト先の店長 総一郎さんのことだ…。
「 は!?ナナ、店長になに言った!?」
「 徹が顔殴られて痣出来た って話しただけだよ。
やっぱ女性向けの接客業だからね、顔に痣なんてあったら困るみたいだよ?」
「 ………、」
言いながらナナはにこっと笑う。
痣と言っても、目立つようなものでもないのに、なんてことを言ってくれたんだ…、
…無邪気に笑う彼女を見ていると、僕はため息しか出なかった……。

