「ま、いっか!」


立ち上がった桜子は笑顔で教室までダッシュした。


僕は先回りして淳平の肩にパウダーを振り掛けた。



淳平は3組の前で立ち止まり、う~んと悩んでから5組の教室へと向きを変えた。



「涼太~!!お前も今日部活休む気ない?」



淳平は涼太を誘うことにした。



でも、ここでOKしないのが涼太。

ハンパなことは嫌い。


涼太は、何よりもサッカーが大事なんだ。



「俺?俺は、病気以外は休む気ないから」



断るその声も、教室中の女子が聞いていた。


さっきまで淳平派だった女子も、数人が涼太派になっただろう。