「あのさ……もうひとり男子誘ってもいい?俺ひとりじゃ行きにくいから」
淳平にとっては、ふたりきりじゃなくても桜子とのカラオケは嬉しいものだろう。
で、誰を誘う?
僕は願う。
涼太を誘って!!と。
でも、そこに涼太が来るとますますややこしくなるのかな。
僕は恋愛未経験だからよくわからない。
僕は、ピーチジュースを飲みながら考えた。
とりあえず、パウダーを作る。
ピーチの香りのピコリンパウダー。
涼太を誘ってくれますように。
淳平が去った後、桜子は大きなため息をついた。
どうした?
桜子。
桜子は、僕が思っているより鈍感じゃなかったようだ。
何となく、淳平の好意を感じて、ため息をついている。
『元気出して!!』
僕はパウダーをふりかけた。

