桜子は長袖のブラウスの袖を肘まで折り曲げて、腕にはシュシュと呼ばれる髪につけるふわふわしたものを付けていた。


最近、サッキーと雪乃ちゃんとおそろいで買った桜子お気に入りのもの。



足を組んでいた桜子は、淳平が来ると足を揃えて、背筋を伸ばした。



「はい」


桜子はかしこまった表情で淳平を見た。



桜子の向かいのベンチに座った淳平は、おでこの汗を手で拭う。




「あのさ……樋渡!!今日の放課後って予定ある?」



緊張した淳平の表情を見ていると、淳平の恋も応援したくなる。


好きなんだよね、桜子が。



「え?今日??サッキー達とカラオケ行く約束してるんだけど」




桜子は、落ち着かない様子で髪を何度も触っている。



淳平はどんどん出てくる汗をシャツの袖で拭き取り、残念そうな顔をした。